ベトナム規制ウォッチ:医薬品規制改革と電子商取引の拡大 (2025年8月)

2025年8月のベトナム医療規制アップデートへようこそ。今月は、ベトナムの製薬業界に影響を与える3つの重要な規制動向に注目します。これらの変更は、日本の製薬企業にとって、コンプライアンス上の課題と同時に戦略的なビジネスチャンスをもたらす可能性があります。

1. 通達30/2025:医薬品の品質基準およびリコール手続き

2025年7月1日より施行された通達30/2025/TT-BYTは、通達11/2018を置き換えるもので、医薬品の品質保証およびリコール対応に関する大幅な改正が行われました。

主な更新内容:

  • 日本薬局方(JP)の認可: 企業は、USP、EP、BPなどの国際薬局方と並んで日本薬局方(JP)を使用できるようになり、資料作成や試験方法に柔軟性が生まれました。
  • 電子リコール通知システム: 不適合製品の報告が中央集約型のプラットフォーム上で義務付けられ、報告期限と責任範囲が明確化されました。
  • 重大性の低いリコール手続きの簡素化: 影響を最小限に抑えた運用が可能となり、リスクベースの対応管理が強化されます。

公式資料(ベトナム語):ベトナム政府ポータル – 通達30/2025/TT-BYT(医薬品の品質およびリコール)


2. 政令163/2025および通達31/2025:電子商取引と向精神薬の取り扱い

これらの新規定は、医薬品の流通とコンプライアンス体制に大きな変化をもたらします。

主な更新内容:

  • 医薬品の電子商取引が合法化: オンラインプラットフォームは、有効な事業許可証および薬剤師資格証明を公開することで、合法的に医薬品を販売できるようになりました。
  • 向精神薬の廃棄手続きが簡素化: 麻薬や向精神薬は、従来の保健省による事前承認を必要とせず、7日前の通知のみで廃棄可能となります。これにより、企業の業務負担が軽減されます。

新たな販売チャネルの創出と同時に、文書の透明性と管理体制の強化が求められます。

公式資料(ベトナム語):ベトナム政府ポータル – 政令163/2025/ND-CP(医薬品の電子商取引および向精神薬の廃棄)
公式資料(ベトナム語):ベトナム政府ポータル – 通達31/2025/TT-BYT(薬事法および政令163/2025の実施細則)


3. 薬事法改正(法令44/2024):投資優遇と登録手続きの迅速化

薬事法の改正により、外国からの投資誘致および医薬品の市場参入スピード向上を目的とした重要な改革が導入されました。

主な更新内容:

  • 製薬の研究開発および製造が「優先分野」に指定: 総投資額3,000億VND(約150億円)以上のプロジェクトは、税制優遇や用地特典の対象となります。
  • 登録審査の期間短縮: 補正は原則として2回までとされ、3回目以降は特別な事情がある場合のみ認められます。
  • 承認更新の簡素化: 有効期間中に製品品質が安定している場合、フルレビューを省略できる可能性があります。

これらの変更は、海外製薬企業にとって、より予測可能な規制環境の構築を目指すものです。

公式資料(ベトナム語):ベトナム政府ポータル – 薬事法および関連施行規定の実施細則

本アップデートが、ベトナム市場における貴社の戦略立案や規制対応にお役立ていただければ幸いです。詳細な情報や個別支援が必要な場合は、ぜひ弊社までご連絡ください。