インドネシア規制ウォッチ:医薬品登録の基本ガイド(2025年8月)
インドネシアは、急成長する医療市場と世界有数の人口を背景に、医薬品業界にとって重要な市場である。本稿では、インドネシアにおける医薬品登録制度の概要と、最新の規制動向について解説する。
1.規制当局:Badan Pengawas Obat dan Makanan (BPOM) 及び医薬品監督におけるその役割(国家食品医薬品監督庁)
BPOMは、インドネシアにおける医薬品、伝統医薬品、化粧品、食品の規制を担う中央機関である。国内で流通するすべての医薬品は、BPOMによって評価され、承認され、監視される。主な業務:
- 製品登録および評価
- Good Manufacturing Practice (GMP)査察およびライセンス発行
- 市販後監視(ファーマコビジランス)
- 偽造品対策および啓発活動
2.医薬品登録の流れ
インドネシアで販売されるすべての医薬品(輸入品・国内製造品)は、BPOMへの登録が義務付けられている。
- Step 1: 事前準備
- 製品分類(新薬、ジェネリック、バイオ医薬品、伝統医薬など)を明確にする必要がある。
- 外資系企業は、インドネシア国内の法人または代理店を任命しなければならない。
- 必要書類には、CPP(Certificate of a Pharmaceutical Product)、GMP証明書、品質資料、臨床・非臨床データなどが含まれる。CPPとは、医薬品の発売を承認する証明書を指し、GMPとは製造管理および品質管理規則の基準に達したことの証明書を指する。
- Step 2: オンライン申請
- BPOM e-Registrationを通じて申請を行う。(e-Registration)
- 審査ルートは以下の3種類に分類される:
- 100日:希少疾病用医薬品など緊急性の高い製品
- 120日:米国、EU、日本などの参照国で承認済みの製品
- 300日:新たな適応症または用法・用量を伴う新薬または主要変更の標準審査
- Step 3: 評価プロセス
- 管理審査:申請書類の完全性および規制遵守を確認します。
- 技術審査:製品の安全性、有効性、品質を評価します。
- GMP検査:製造施設がBPOMの認定を受けていない場合は必須です。
- Step 4: 補足資料の提出
- BPOMからの照会に対して、通常120日以内に対応する必要がある。
- Step 5: 販売許可の取得
- 承認後、販売許可番号(NIE)が発行される。有効期間は5年間であり、更新が可能である。
- Step 6: 市販後監視
- ファーマコビジランス、抜き取り検査、広告監視、リコール対応などが含まれる。
3.規制動向(2025年)
2025年、BPOMは「規制開発プログラム(決定第278/2025号)」を開始し、医薬品、サプリメント、化粧品に関する規制の見直しを進めている。
注目すべき動向:
- 規制手続きのデジタル化
- 審査の透明性および効率性の向上
- 国際基準(The International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use (ICH),、ASEANガイドライン)との整合性強化
4. 実務上の留意点
インドネシア市場への参入にあたっては、以下の点に留意する必要がある:
- 書類は原則としてインドネシア語で提出する必要がある。
- 一部製品では、現地の臨床データ提出が求められる。
- 製品分類の誤りは審査遅延の原因となるため、事前にBPOMとの相談が推奨される。
推奨事項:経験豊富な現地パートナーとの連携は、規制リスクの軽減および市場参入の迅速化に寄与する。
5. 次号予告
次回は、BPOMの組織構造およびデジタル化の取り組みについて詳しく解説する予定である。インドネシアでの製品登録やASEAN市場への展開を検討している企業に対して、ClinChoiceは最新の規制動向に基づいた戦略的支援を提供する。
参考資料:
インドネシア保健省令第1010/MENKES/PER/XI/2008号: https://farmalkes.kemkes.go.id/unduh/permenkes-1010-2008/
伝統医薬の定義: Putih dan Hijau Zaitun Modern Minimal Formal Laporan Media Sosial

